スタッフブログ
blog
blog
投稿者:千田 和也
こんにちは。
岩手県奥州市を中心に、自然の力を活かした家づくりを行う CHIBA HOUSE(千葉建設) です。
前回に続き、40年以上続いているエアサイクル住宅についてご説明します。
前回のパッシブデザインの記事の中でお話しましたが、
エアサイクル住宅の「床下、壁の中、天井裏を空気が移動する」ことで何が良いのか。
その前に、自然の摂理について少し理解しながらエアサイクルについて知っていただければと思います。
空気は暖かくなると上昇する性質があります。
この原理を利用したのがエアサイクル工法です。
基本的な建物の中の温度について。
【床下】
1年中10~15℃前後の地熱の影響を受けています。
10~15℃の温度とは、夏は冷たく感じ、冬は暖かく感じる温度です。
【屋根裏(小屋裏)】
夏場は50~70℃くらいになることもあります。暑いですよね。
この暑い空気が天井裏にあることで上から室温に影響してきます。
一般的な住宅と大きく違うところは、エアサイクルの断熱材(壁の中)は特殊な構造になっていて、ダイヤカットの溝があります。
その溝が空気の通り道になります。
また、床下の基礎部分(コラムベース)についても、空気の通りを良くするため他の住宅とは違う特殊な構造になっています。
【壁の中の断熱材】
【基礎】
夏は床下と小屋裏の換気口を開きます。
まず、床下の給気口から自然に空気が入り、地熱(15℃前後)で冷やされます。
冷たい地熱と混じった温度の低い空気が、太陽光や室内の生活熱で暖められ、壁の中の溝を通って天井裏まで空気が上昇します。
天井裏には排気口がついていて、50℃以上にもなる暑くなった空気は棟部分から外へ放出されます。
空気と一緒に適度に室内の湿気も排出してくれるため、
建物内に「もわーん」とした暑い空気が残りにくく、
仕事から帰ってドアを開けた瞬間も、エアコンをつけていなくてもカラリと涼しく感じることができます。
室内の温度や湿度が上がりにくい工法です。
是非これを感じていただきたいところです。
冬は床下の給気口と天井裏の排気口を閉めます。
基礎も小屋裏も断熱しているため、給気口と排気口を閉めることで建物内に冷たい外気は入ってきません。
冬は暖かい床下の地熱(15℃前後)や室内の生活熱で暖められた空気が、床下・壁の中・天井裏をすっぽり包み込みます。
そのため、外気がマイナスでも外気との間に暖かい空気層が生まれるので、
外気の影響を受けにくく、室内の温度はあまり下がらず、じんわりと暖かさを保ってくれます。
エアサイクル住宅は、温度の変化などで壁の中などの常に見えないところの空気が移動する(自然の風が吹く)構造になっています。
壁や床などの木材が乾燥することで結露、カビ、シロアリの発生を大幅に抑制できます!!
カビは壁紙の裏や柱の見えない部分に結露が起こり、濡れたまま乾かないことで発生します。
必ずと言ってもいいほど、シロアリは結露やカビにより濡れた木・傷んだ木に寄ってきます。
余談ですが、
法隆寺は築1300年以上です。
お寺や神社などずっと昔から今も腐らずに残っているのは、木材が常に動く空気に触れているからです。
ただ、昔の建物はそのままでは住むには暑いし寒いので
快適に住めるように、さらに、そこに断熱性能と気密性能をしっかり加えたのがエアサイクル住宅!
高断熱高気密で且つ他の住宅にはない「心地よい快適さ」を兼ね備えています。
エアサイクルは、工法自体が自然の力を利用するパッシブデザインです!
機械、電気をほとんど使わず自然の力で快適空間をご堪能ください。
水曜・木曜は定休日ですが、その他は予約なしで見学できます。
実際に体験できますので、是非、奥州市の「いえ博」へお越しください!
CHIBA HOUSE(千葉建設)では快適で安心な注文住宅をはじめ、リフォーム・リノベーションまで、幅広くご相談を承っております。
<営業時間>8:00~17:30
<定休日>第2・3・4土曜日/日曜日/祝日/弊社指定休日